もう”いい子”でいるのはやめよう - 本のメモ - ひとりになれない女たち
買い物依存、電話・恋愛にのめりこむ心理 ひとりになれない女たち (文春文庫PLUS)
- 作者: 衿野未矢
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/01/10
- メディア: 文庫
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買い物、電話、恋愛、友達、会社、家族、など。
これらはすべて当たり前のように存在しているが、
本書はこれらに依存してしまった女性たちの事例集である。
なぜ女性たちはこのようなものに依存してしまうのか。
それは、”いい子”という不明瞭な他人による評価に振り回され、心のバランスを失ってしまうことによって生じる。
自分がもし「いい子」でなくなったら、その愛を失い、守ってもらえなくなってしまうのではないか、と不安に感じている。
心に秘めた恐れや不安は、彼女たちを「避難されること」に敏感にする。
家族や友だちのささいな一言に「私は避難された」「点数をつけられた」「本当はいい子じゃないとばれてしまった」と大きな衝撃を受け、心のバランスを失うのである。
しかもこの”いい子”というのは、女性が社会に進出する以前、
仕事、遊び、家庭、様々な面を考慮した上で総合的に判断されてきた男性とは異なり、
女性は「良妻賢母」という一点のみで評価されてきており、
女性の社会進出が急速に進んだ現在、これを引きずってしまっていることも、
女性の”依存”を引き起こす原因となっている。
では、このような心のバランスの不調を改善するためにはどのような対処が望ましいのであろうか。
本書では、よりよき「私の人生」のための7箇条として以下の7つを挙げている。
1. がんばり過ぎない
2. ぼんやりと考える時間を大切にする
3. いい子をやめる勇気をもつ
4. 他人のせいにしない
5. 悩み、苦しみ、落ち込みをおそれない
6. 自分をいやせる場をもつ
7. 「いざ」にそなえて知識を得ておく
この中で印象的だった3箇所を引用しておく。
「私はちょっと力を抜いてるな」
そんなふうに、自分を客観視できる余裕があるくらいがちょうどいい。
自分としては思うことは、相手の頑張りすぎを解くためには、
まず自分が力を抜くことが大事なんじゃないかということだ。
いくら相手に「力をぬいて」といった所で、自分がガチガチに武装していたのでは相手はリラックスできない。
まず自分が欠点をさらけ出す勇気が必要である。
週に一度でもいいから、何も持たず通勤電車に乗ろう。
ボーっと窓の外をながめ、ここ数日を振り返ってみよう。地下鉄のガラスにうつる自分の姿を見て、幼いころを思い出してみたりしよう。
一見ムダに見えるようなそんな時間が、あなたに余裕を与えてくれるのだ。
このようにして自分なりの価値観を養っていくことで、自分自身で判断する力(思考力)を高めることができる。
(依存症治療=自分自身の頭で考えるトレーニング)
迷い、悩むのは人間の特権だ。「寂しい」「悲しい」という感情を無理に排除して、元気になろうとする必要はまったくない。
仕事でミスしたら、どんより暗い表情をして、重い足どりで帰宅すればいい。
失恋したらベッドにもぐりこみ、わんわん泣こう。
ネガティブな感情を恐れ、遠ざけようとしても無理な話である。
後悔し尽くし、悲しみに浸りきり、思い切り涙を流すのを、こわがってはいけない。
のし。