- 本のメモ - 武器としての決断思考

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

まずは目次を引用。
 

はじめに 「武器としての教養」を身につけろ
ガイダンス なぜ「学ぶ」必要があるのか?
1時間目 「議論」はなんのためにあるのか?
2時間目 漠然とした問題を「具体的に」考える
3時間目 どんなときも「メリット」と「デメリット」を比較する
4時間目 反論は、「深く考える」ために必要なもの/5時間目 議論における「正しさ」とは何か
6時間目 武器としての「情報収集術」
7時間目 「決断する」ということ

この本は、正しいディベートを行い、自分で答えを出すための方法を丁寧かつ適格に教えてくれている本である。

以下、いくつか引用しておく。

うまくいっていないと判断したらサンクコストは一旦無視して、それを続けるか、はたまた新しいことに1からチャレンジするかをゼロベースで比較して決めていかないといけない。

ディベートのルール、4つ。
1. 特定の議題について議論する
2. 賛成側と反対側に分かれる
3. 話す順番、発言時間が決まっている
4. 第三者を説得する

特にこの "第三者を説得する" というのが重要。相手を論破したり、意見を変えさせたりする必要はないのだ。無理矢理に抑えつけても相手は反発するだけであるし、そんなことは無意味である。

会議ではなにかしら結論を出す

誰が言ったかではなく、何を言ったか。

「知識・判断・行動・修正」という4つのサイクルを回していくことで、より良い結論にいたることができる。

ブレないことに価値はない。
自分が仕事や会社に求めることがなんなのかを、根本から考えることができていない。

先送りというのは一見、決断を先送りしただけのように捉えられがちですが、実のところは、「決断しないという大きな決断」をしたことに他ならない。
イチローがぶれていなくて素晴らしいのは、スポーツの話だから。ルールが変わらない世界では、ブレないことに価値もあるのでしょう。でも、私達が生きている社会では、すぐにルールが変わるし、状況も一刻一刻と変わっていきます。

ディベート思考の考え方
論題は具体的な行動をとるべきか否かにする

論題には「議論に値するもの」で、「明確な結論がでるもの」を選ぶ。まずは「方向性の転換を伴う大きな枠組」から考え始めて、徐々に小さな枠組みについて考える。

メリットの3条件
1. 内因性
2. 重要性
3. 解決性

内因性とは問題があることで、重要性はなぜ問題か、どう問題かをクリアするようなもの、解決性は、その行動によってそれがきちんと解消されるかをチェックする。

デメリットの3条件
1. 発生過程
2. 深刻性
3. 固有性

新たな問題が生じる過程をきちんと説明すること。そしてそれが深刻で、新たな問題は論題の行動をとらない限り生じないということをきちんと説明することができればデメリットとなる。


ツッコミ上級編

メリット
<内因性への反論> = そんな問題はそもそもないのでは?
①プランをとらなくても問題は解決する
②そもそも現状に問題はない<重要性への反論> = 問題だとしても、大した問題ではないのでは?
③質的に重要ではない
④量的に重要ではない<解決性への反論> = 問題だとしても大した問題ではないのでは?
⑤プランをとっても別の問題が生じるため、問題は解決しない
⑥プランは問題の原因を正しく解決しない

デメリット
<発生過程への反論> = 新たな問題は生じないのでは?
①プランだけではデメリット発生には至らない
②プランの影響はデメリット発生には至らない<深刻性への反論> = 問題が生じたとしても、大した問題ではないのでは?
③質的に問題ではない
④量的に問題ではない<固有性への反論>
⑤プランを取っていない現状でも問題は起こっている
⑥プランを取らなくても、将来同様の問題が起きる

「正しい主張」の3条件
①主張に根拠がある
②根拠が反論にさらされている
③根拠が反論に耐えた

裏をとるのではなく、逆をとる

情報のソースを複数集めたところでその出所は同じだったりする。そうではなく、反対の情報を集めてみる。そしてその根拠を探り反論してみる。生き残った方が正しい主張というわけです。

推論に反論を加える
推論の部分は相手も無意識に行っている事が多いので、そこに対して重点的にツッコミを入れると効果がある。

以上です。