- 本のメモ - 選択の科学

選択の科学

選択の科学

「選択」というものが人に与える影響を様々な種類の実験を元に展開している本。

総括としては、
”選択によって我々は自分自身を形作る。しかしそれは決して論理的ではなく、不確実性と矛盾を孕んでいる。
故に選択とは芸術なのである。神秘であり、並外れた美しさが備わっている。”
という感じ。

つまり、一つ一つの実験結果を帰納的に積み上げた結果、人間の選択に共通してみられたのは上記の性質である、ということ。

一つ一つのエピソードをのっけてもしょうがないので、
個人的に印象的だった実験結果をひとつ。

人が就職活動をする際、重視するものの話。
就活初期には、「創造性を発揮する機会」「意思決定を行う自由」
中期が「昇進の機会」
最終的に決定した後「収入」

これは非常に興味深い。かつ、全然論理的な選択じゃない。
どんどん軸が変化している。

このようなことは実は自分にも身に覚えがある。
就活を初めて間もないころ、まだ情報収集に勤しんでいた頃というのは、”給与”など、ちっとも考慮していなかった。
しかし、履歴書を作成し、面接を受け、いざいくつか内定をもらう段階になって、自分が意思決定をした材料の一つが”給与”だったりした。もちろんそれだけではないけれど、最初全くもってきにしていなかったものが最後の意思決定における判断材料の一つになろうとは。

このように人の選択は不確実性が大きい。読めないし、千差万別であったりもするから、「選択」というものがその人らしさ、オリジナリティーみたいなものを形成しているんじゃないかな、と本書を読んで思った。

以上です。