若者たちに対する叱咤激励 - 本のメモ - グローバル・マインド 超一流の思考原理

グローバル・マインド 超一流の思考原理―日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか

グローバル・マインド 超一流の思考原理―日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか

友達に借りていたんだけれども、なかなか手を付けられていなかった本を本日消化したので、
一応メモのためまとめておく。

まずは簡単に筆者のご紹介。
この本の著者は藤井清孝氏でこの方、超一流の経歴をお持ちである。
東大を出て、マックに入り、その後ハーバードでMBAを取得、そして投資銀行IBDからSAP社長、ヴィトン社長、現在は電気自動車関連の会社でこれまた社長。

そして、この本は大きく分けて2パートに分けられると思う。

前半のパートは、筆者の自伝である。
筆者のこのピカ一の経歴を様々な教訓を含めながら振り返っている。

後半のパートでは、日本に対する叱咤激励(主張)である。
主張は4つ。

1,正解への呪縛から逃れる教育の重要性
2,英語力の弱さは今後致命的になる
3,日本人が勘違いしている論理的思考力
4,抗菌よりも免疫力で真の強さをつくる

1.日本人はその教育的背景を理由として、何でもかんでも正解を求めてしまう。
そして、現実的にビジネスには正解は存在しないがために、リスクを恐れ行動できないのではないか。
このような現状を変えるためには、長期的には日本の受験制度の大改革が必要である。
また短期的には、「トライアンギュレーション(三角測定)」の考えに則り、
物事の事象をポジティブ、ネガティブ、ニュートラルの三点からみて、問題を立体的に捉える訓練をすべきである。

これによって、’正解しかみえない’という一次元的な発想から脱出し、臨機応変な解を見つけられるようになる。


2,英語は世界共通のコミュニケーションプラットフォームであり、英語で情報収集ができないと世界の大半の情報から取り残される事になる。
(最近は中国人はもちろん、フランス人でさえも英語を話せることが職を得るための必須条件になりつつある。)

3,日本人は論理的思考ができないのではなく、文化的な原因により前提条件が異なるのだ。
よって、思い込みを取り除くためにインタラクティブな議論を行なっていく。

4.メールは常に一方通行のコミュニケーションである。
一方、実際に人と会って話をしていると、相手の出方や表情によってこちらのトーンも瞬間的に微調整したり、直感的に反応したりする。
すなわち生身のぶつかり合いでは、動物としての五感を本能的に使っている。
筆者は携帯 -> 抗菌、一方、生身 -> 無菌状態、だから免疫力が鍛えられる、と言っている。


筆者は日本に思い入れが強いらしく、主張も日本人がどうすればグローバルで戦っていけるかということに関して書かれてたことが印象深い。